『彼女のひとりぐらし』ってマンガを読んで
私の好きなブロガーさん(はてなのidはid:toki)のアメブロの記事で紹介されてたマンガがおもしろそーだから、買って読んでみたー。
玉置勉強さんの「彼女のひとりぐらし」(全3巻)を読みました!
///個人的な感想です
彼女のひとりぐらし (2) (バーズコミックス デラックス)
- 作者: 玉置勉強
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/07/23
- メディア: コミック
- 購入: 11人 クリック: 28回
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彼女のひとりぐらし (3) (バーズコミックス デラックス)
- 作者: 玉置勉強
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/09/24
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 12回
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表紙がぜんぶかわいいんだよねー。
絵柄的に好き。
これは、彼氏ナシ(前に別れたまま次ができない)、26歳のデザイナー&イラストレーターのフリーランサーの女子のひとりぐらしの物語。
オートロックのコジャレたマンション暮らしとかじゃなくて、フツーのアパートで、インテリアがステキ、ってこともなくて、ただのパイプのロフトベッドと仕事机とコタツ。
すごい売れっ子じゃなくて、生活もすっごい地味。
この主人公輿水理香は、性格がすごいだらだらしてるから、生活もすごいだらだら系。
部屋はぜんぜんきれいじゃないし、生ゴミも溜めまくって虫わかせてるし、出しそびれた可燃ゴミは二度と中を覗けない状態でベランダに何袋も放置されてるし。
設定はすごいおもしろそーで、絵も可愛いし、私自身が最下層の非正規でひとりぐらし出来たとしても、似たよーなレベルだろーなー、って思って、それでけっこー期待して読んじゃった。
でもこの彼女、だらだらしてぜんぜん男にモテる気配もない生活してるけど、「美人」っていう設定なんだよね。
巨乳だし。
20代の底辺の女子の生活、っていう話なのに、なんとなく読んでいくと、そんなに「女子」の実態がセキララってわけでもないなー、っていう剥離感があって。
そしたら、この作家、男だったんだねー。
これ、女が描いたら、もっとおもしろくなった気がする。
この主人公、「リアルだらだら系女子」っていうより、「男ウケする残念女子」なんだよね。
ちゃんと、男から見て「かわいい」っていうポイントははずしてないの。
だって、夜中のジョギングにいくらだらしなくても、ノーブラで行くなんてあり得ないと思うし。
部屋が汚れてて、生ゴミもためてるのに、なんでか自炊できるぐらいにキッチンは片付いてて、お風呂もきれいで、っていう、ほんとならいちばん真っ先に不潔感がでてくる水回りはきれいなの。
ベランダに水分が漏れるよーな生ゴミ溜めこんだら、そこでハエやゴキブリわくし、カラスにつっつかれて袋なんていつまでも溜めとけないよねー。
それに指定のゴミ袋って、風化するよね。
ベランダにゴミ袋に入れたガラクタを置いてたら、いつのまにかゴミ袋がボロボロに崩壊しててびっくりしたもん。
マンガに出てくる「片づけれない女」っていったら、真っ先にのだめが出てくるんだけど。
のだめの部屋の汚れ方はもっとリアルだったよね。
水回りだけはきれい、っていう部分、男の理想なんだろーなー、って感じた。
だからって、おもしろくないわけじゃなくて、3巻までさくっと読めた。
でも、なんか、ちょっと物足りなさが残ったかな。
全体的に話が薄くて、「ひとりぐらし」の実態も、「あるある」っていうことはけっこー描かれてるけど、「ひとりぐらし」そのものにそんなに深く掘り下げてはなくて。
フリーランスっていう職業も、さらっと語られるぐらいで、その仕事ぶりはあまり出てこなくて。
ひとりの時の病気とかも、わりとベタで。
1冊800円もするコミックだから、この内容で2400円は私の感覚ではちょっと高かったかなー、っていう感じだった。
私がこのマンガにそんなにのめりこめなかったのは、作品のせいじゃなくて、自分の恋愛観のせいだと思う。
この主人公は、今はひとりぐらししてるけど、彼氏もほしーし、いつかは同棲とか結婚もしたいのね。
彼氏ができたら、ラブホは下品だからって部屋に呼びたくて。
(ラブホが下品、っていう言葉がちょっとおもしろかった。不特定多数の他人とえっちする場所を共有するのがイヤ、とかならなんとなくわかるけど)
「さみしーよー。モテたいよー」
って言っちゃうキャラ。
私、ここがぜんぜん違うから、ひとりぐらししたとしても、多分私も生活じたいはだらしなくなると思うけど、「いつかひとりぐらしから脱したい」っていう気持ちだけはわかないと思う。
私がひとりでアパートぐらしできたら、ぜったい男は部屋に入れない。
住所も教えない。
勝手に来られるとイヤだから。
友だちもすっごい仲のいい人しか部屋は教えない。
基本、自分の部屋にだれも呼ばない。
友だちでも、夜中に突然来られるとか、私はイヤかなー、って思う。
自分の家、って、自分の世界の拠点、だから、そこだけは簡単に人に踏み込まれたくないんだよね。
お金がなければ妥協する部分って現実にはあると思うけど。
でも部屋は、あんまりテキトーな家具で間に合わせるのとかしたくないし。
すっごいだらしなく生きて、
「こんなんじゃダメだよねー」
って思ったりはするんだろーけど。
でも、さみしさって感じるのかな。
男を自分の生活にひきいれたくなったりするのかな。
そんな自分がぜんぜん想像できない。
「ひとりがいーんだよー」
っていう部分に満足しながら、私はだらだらだらしなく残念なひとりぐらしをしていく気がする。
だれかと一緒に生きていきたいとか、恋人ほしーとか、結婚したいとか。
そーいう願望は、幸せにも結びつくんだろーけど、その願望があるために自分がつらくなる、っていうこともあると思う。
自分の生活に「さみしさ」がいつもあるのは、私はイヤ。
さみしさって、自分以外のなにかで埋めたくなりがちだし、そーしたら自分以外のものに自分を依存させちゃうことになるから。
ひとりでつまんないなー、っていう感情は、私にもわくかもしれないけど。
そんな時は友だちと遊んだりするかもしれないけど、その前にひとりで出かけちゃったりするかな。
ドライブとか。
(ひとりぐらししたら車なんて持てないかもしれないけどねー)
っていうか、
「あー、つまんない」
っていう感情じたいがわかない気もする。
「ひとり」って、それだけで私は気分が落ちつくから、基本、ひとりでいたい。
ネットがあれば、そこにアクセスすれば、たくさんの人がいる。
そーいう繋がりを楽しむこともあるけど、ネットから離れてひとりに戻る、っていうオンオフの切り替えが私には必要かな。
だから携帯とかで一日中ネット覗くことはしたくないんだよね。
一日中ネットにいたくはないの。
ネットって、心が外出してる気分だから。
いつかは心も家に帰る時間がほしいの。
生きていくっていうのは、ぜったい人とかかわるよね。
大金持ちにでもなれない限りは、かんぜんな孤独を得れないんだから、自分の生活にはぜったいいろんな人たちとの接点ができる。
でもその接続をずっと繋げっぱなしじゃなくて、人との繋がりにオンオフのスイッチがほしい。
人間関係をその都度断ち切るってことではなくて。
人との繋がりの回線じたいはそのままあるけど、その電源を入れたり切ったり、の切り替え。
自分の家に帰ってきて、自分の部屋のドアを閉める。
その中で私はひとり。
ドアは外界と一時的に遮断するスイッチ。
外界とまた繋がる時、そのドアを中から開ける。
スイッチオン。
ひとりぐらししながら、自分の部屋の中からもだれかと接続したがる心が私にはないから、
「よし!!
2人で暮らせるような2LDKくらいの物件にまず引っ越す!!」
っていう主人公のオチに、私の感情はきっと辿り着かないと思う。
ひとりぐらし以外考えれない、っていうよーな、だらしない系のひとりぐらし残念女子のマンガとかもあれば読みたいなー。